2006-01-01から1年間の記事一覧

おらのハポ

誤った思いこみが 27 年も続いたということを述べて,同学の諸氏の参考としたい(僕は猛烈に思いこみの激しい人間だから,余り参考にならないかもしれない).1979年 7 月 17 日(僕が 25 歳のとき),十勝川支流利別川河畔の町,本別にて農家をされていた沢…

uwekari という副詞について

せっかく地元札幌で言語学会があったのに,急を要する地名アイヌ語辞典の編纂に使うプログラムを突貫工事で作らねばならなかったので参加できませんでした.残念至極です.疲れた頭には,去年の三月に出した『知里真志保フィールドノート(4)』(北海道教…

樹木を意味する二つの単語

友人の高橋靖以君がいま翻訳しているアイヌの物語に poro chikuni hokush 「大きなチクニが倒れる」という句がありました.僕は以前から,というよりも,この30年間ずっと ni と chikuni の違いが分からなかった.旭川の砂沢クラ氏に尋ねてもどちらも「樹木…

父の葬儀に当たっての喪主(わたし)からの挨拶と父の詩一編

父弘雄永眠のおりは、皆様より深い哀悼のお気持ちをお寄せいただき、感謝の言葉もありません。父は医伯院慈海弘遠大居士という法名を授かり、また、本日は四十九日の法要を営むことができました。これも皆様のおかげと存じ、母、姉、弟とともに厚くお礼申し…

アイヌ語の「沢」を意味する naj の語源

金成マツが書き残してくれたユーカラの一節に炉を海にたとえた次のようなものがあります。「沖」とは炉のまん中のことで、陸(おか)とは炉の縁のことです。*1 rep-o-usat 沖の火種を ya-o-raye 陸にやり ya-o-usat 陸の火種を rep-o-raye 沖にやり tu uturs…

アイヌ語の地名を守れ

千歳市の千歳川筋に「桂木(かつらぎ)」という地名があります.14,5年前,そこに住んでいた小田イトさん,白沢ナベさんという二人のアイヌのおばあさんに,桂木の元の名は「ランコシ」と教わりました.もっとも,本来の音(おん)は Rankowsi ランコウシ(…

社名淵(シャナフチ)という地名

北海道文化財保護協会が出している『文化情報』第289号(平成18年5月1日)に北見の伊藤せいちさんが「遠軽町の社名淵の地名について」という好エッセーを書いています.二十数年前,松浦武四郎によって幕末に作られた北海道の地図『東西蝦夷山川地理取調図』…

狂躁状態

春の陽気でとても心が軽く、人が見たら、さぞかし無責任に毎日を送っていると 思うことでしょう。今年に入って、いよいよ金田一先生の『ユーカラ集』(9巻)を凌ぐ民話集を翻訳・刊行する準備を始めました。でも知里先生に関する原稿の締め切りが3月10日…

「真駒内」の由来

一週間前に初めてブログに書いて、その後、体の調子が悪くなり(自律神経失調症)、週の大半は寝床に転がっていたので、今朝までこのページが開けませんでした。今朝、一週間ぶりで見てみるとコメント欄にライブドアの勧誘が書き込まれていました。こういう…

初めまして

札幌 Satporo の真駒内 Makomanaj に住んでいる年の頃50余りの初老の男性です(谷崎潤一郎の小説に「年の頃四十ばかりの初老の男が」という文句があったと記憶しています)。1954年の3月に、北一条にあった市立札幌病院で生まれました。梅田望夫さんに「ゲイ…